エリはこの頃から、以前よりもはるかにシャブをしているようだった。

無理して仕事を続けていて、精神的にまいっているのは、誰が見てもわかった。

あたしはシャブに頼るエリに腹が立つよりも、だんだん心配になっていた。


「エリ、シャブはやめとき…」

我慢出来なくなって、初めてエリに言った。

エリは最初、びっくりしたような顔をしていたが、「もうちょっと…もうちょっとで終わるから…」と、まるで自分に言い聞かすように、悲しい顔で言った。

「何でそんなに辛いのに、頑張るんさ…」


この頃のあたしは、全く涼には会ってなくて、エリと過ごす時間が多かった。

涼に対する気持ちよりも、エリを心配する気持ちの方が多かった。

エリは「大事な人の為かな…」そう言った。

そんなにも、涼の事が好きなんや…

あたしは「本間に、シャブも仕事も、早くやめてな?」としか、言えなかった。