エリが飛田で働き初めて、1週間ほどが経った。

皮肉にも、エリは前よりも仕事のあがりが早くなった為、夜家で一緒に過ごす時間は多くなった。


2人でビールを飲みながら過ごしている時、あたしはエリに聞いた。

「仕事慣れた?」

「ん…やっぱ慣れへんなぁ。
前はお客さんと話したりすんの、楽しかったりしたけど。
今は苦痛やったりする…」

あたしはびっくりした。

エリの事やから、「大丈夫!」って、笑って答えると思っていたから。

でもそうやんな。

エリは好きな人としか、エッチしたくないって、前に言ってたし。

「じゃあやめえや。
そんなん続けてたら、いつか体にも心にもガタがくるで」

エリは困ったような顔で笑って、「もうしばらく…落ち着いたらやめるから…」と言った。

「そんな涼のとこで使てんの?」

「ん…未収してもうてんか…」

「そんなん、エリだけが悪いんちゃうやん?
逃げる訳ちゃうねんから、待ってもらい~や!」

「ん…考えとくわ…」