まだ涼が売れてない頃から、エリが自分のお客さんだった事。

そして2人は付き合っていた事。

でも涼が色や枕をするから、2人は別れた事。

「俺はな、やっぱりホストやねん。
金と女が好きで、この世界に入ったから。
今の地位があるんも、金があって、周りに女がいてくれるからやん?」

それは、特定の女は作らへんって事?

ショックを受けるあたしに、涼は続けた。


「エリはな、あっさりわかったて言いよってん。
あたしも仕事してるし、気持ちわかるからって。
でもな、そっからかな。
エリの様子が、おかしなっていったん…」

その頃のエリは、涼との淋しさを、シャブで埋めていた。


涼もエリに、「お前何かやってるやろ?」と、問い詰めたらしい。

最初はしらばっくれていたエリも、涼があまりに聞いてくるので、「シャブやってる…」と、打ち明けたそうだ。


「それでもあいつは、涼のせいちゃうよって笑って言って、あたしが淋しいんは、家族に愛されてないからやからって言った」

涼は焦りながらも、必死で怒って、止めたらしい。

でもエリはもう、シャブをやめれんようになってた。

「ハァーッ」

あたしは溜息をついた。

「でもな、俺も悪いねん。
もうその頃には、売れてきだしてて、エリよりも、ホストの自分の方が、大事やったから…」