━次の日━


エリと顔を合わしたくなかったあたしは、いつもより早めに仕事に行った。

寝不足で体が重い。

エリと涼がどこのホテルに行ったかは知らないけど、あたしが仕事場に行くまでにもいくつかホテルがある。

ばったり出会ったらどうしよう…

そんな事を考えながら、仕事場に着いた。


「おはようございます!」

挨拶をしたあたしは、店長が言った言葉に驚いた。

「おはよう!もうエリ来てるで!」

え、仕事出て来てんの?

何も知らない店長は、エリの復帰を喜んでいた。

何といっても、エリはこの店の、看板娘だから。


驚きながらも待機室に入ったあたしに、ちょうど今からお客さんに付くエリと、ドアの所でばったり出会った。

「あっ、朝日!」

「もう仕事出て大丈夫なん?」

「うん!もう平気やで!」

「ふ~ん…」

「今から客付くから、また後で話そっ!」

そう言ってエリは、バタバタと出て行った。