ディスプレイを見て、どうしよう…焦る。

電話は涼からだった。

鳴り続けている携帯と、にらめっこしているあたしに、エリが「出えへんの?」と聞いた。

「涼からやねん…」

「出たらい~やん!」

そう言って、顔色1つ変えずにエリが普通に言ったので、あたしは電話に出た。

「もしもし…」

「今日暇~?
飲みにおいで~や!
店終わった後に、時間作るし!」

あたしはとっさに、「今エリと、ご飯食べてるから!」と言った。


涼には会いたかったし、お店が終わってから会うって事は、ホテルに行こうって意味だった。

涼に抱かれたい…

でも今は、そんな事出来ひん…


そんなあたしに、涼は脳天気に、「エリと一緒に来たらえ~やん!」と言った。

「…」

黙っているあたしに、涼が言った。

「エリと代わって?」

「エリ、涼からやけど、エリに代われやって…」

悩んだけど、エリの目の前でコソコソするのも嫌だったので、エリに携帯を渡した。