もうエリに、同じ過ちは繰り返して欲しくない。

その為にあたしは、エリをもっと大切にしていこう。

義務感じゃなく、この時のあたしは、素直にそう思った。

エリ、ううん、夕日が、あたしのたった1人の、妹やから…


最後にエリは、「もう、こんな事はせーへん。ちゃんと傷が治ったら、仕事にも行くから!」と、元気な笑顔で言ってくれた。

良かった。

あたしは安心した。


「でもな、あたしと朝日が姉妹って事は、周りに言わんといて?
そうじゃないと、仕事も涼の店にも、行けんようになるから…」

「分かった…」

そう言いながらも、複雑な気分だった。

まだ17歳のエリに、そんな仕事をさせてていいんかなっていう、姉としての気持ち。

もう1つは、すっかり忘れてた涼の名前が出て、やっぱりエリは涼の事を好きなんかなっていう、女としての気持ち。


でもまずは、エリが元気になってくれたら、それでいっか…

そんな事を考えながら、あたし達は眠りについたのだった。