「朝日…ちょっと待って…話したい事あるから…」

エリが消えそうな声で、必死に言った。

「…ん?どうしたん?」

携帯の手を止めて、エリを見つめた。


「朝日は、あたしの事好き…?」

今までに見た事のない、すごく不安な顔で、エリが尋ねた。

「当たり前やろ!?」

「これから先もずっと…?」

あたしは床に携帯を置き、エリを抱きしめながら言った。

「ずっと好きやで?ずっとエリが好き!」

「ありがとう…良かった…」


そう言ってエリは、自分で手首のタオルを押さえて、「朝日、あそこの引き出しに、保険証あるから…」と、引き出しを指差し言った。

あたしはエリに意識があって、会話出来ている事に少し安心した。

病院に行く気になってくれたんやって、急いで引き出しから保険証を取出した。

「救急車呼ぶ?タクシーで行ける?」