そしてある日、最悪の出来事が起きた…


その日は、前の晩に涼のお店に行って、涼とホテルに行き、そのまま仕事に行って、帰って来た日だった。

「ただいま~!エリ、ご飯食べよ!」

そう言って、エリの部屋のドアを、開けた瞬間…あたしは言葉を失った…


エリの部屋の真ん中で、エリがうつぶせになって倒れている。

部屋のじゅうたんは、真っ赤に染まっていて、それはエリの手首から、流れているようだった。

「エリ!エリ!」

必死でエリを揺さ振った。

まだ体は温かい…

「エリ!目覚まして!」

そんなあたしの声に、エリは苦しそうに答えた。

「朝日…あたしはいらん人間なんかなぁ…」

「何言うてんのよ!そんな事ないから!エリ!頼むから、そんな事言わんといて…」

あたしは泣きながら、エリを抱きしめた。

「朝日…」


エリの意識は、もうろうとしかけていた。

このままやったら、エリが死んでしまう…

「エリ!病院行こう!このままじゃあかん!」

そう言って、あたしはタオルでエリの手首を押さえながら、携帯で救急車を呼ぼうとした。

その時…