それから1週間ほどが過ぎた。

エリは相変わらず、仕事には行ってなかった。

あたしが涼のお店に行った日は、必ず涼は誘ってきたし、お店が終わったら、ホテルに行く、という感じだった。

涼とホテルに行った日は、夕方まで寝て、そのまま仕事に向かった。

家に帰って来ないあたしを、エリはどんな風に、思ってたんやろう…


その分涼のお店に行かない日は、まっすぐ家に帰って、エリと2人で飲みながら話す時間を作った。

この頃のエリは、かなり情緒不安定やった。

昔を思い出して、急に泣き出したり、怒ったり…

そして「あたしが好きな人は、みんなあたしから離れてく…」と、すごく悲しそうに言っていた。

あたしは、前のエリに戻って欲しい一心で、「そんな事ないよ」って、言い続けた。

でもそんなあたしに、「朝日には、何も分からんわ!」と、エリは言うのだった。

どうしたらいいん…

もちろん心配もあった。

でもこの頃のあたしは、仕事も順調で、涼ともいい感じで、そんなエリの弱さを、うっとうしく思っていた。