「小さい頃から、今でもずっとあたしに言いよんねん。
お母さんとあんたは、お父さんに捨てられたんよ!って。
そう言いながら泣いてるかと思ったら、今度は急に怒って言うねん。
お母さんかって、幸せなりたい、あんたがおらんかったら!って。
昔はショックやったけど、今はもう慣れたな…」

笑ってエリは言った。

あたしは、ただただ聞くしか出来なかった。


そして女友達には、「あたしの男取った!」とか、ただその子が好きやった男が、エリを好きやっただけやのに、文句を言われたり…

付き合ってた男には、暴力を振るわれたり、浮気されたり…

そんな事ばっかりやったらしい。


エリはずっと笑いながら話していたが、最後に真剣な顔で言った。


「あたしは男でも女でも、誰かを真剣に好きになるのは怖い…
好きになれば、色々求めてしまうやろ?
それで裏切られて、おかんみたいになんのは絶対嫌やし。
弱いとは思うけど、自分から線引いて、期待しんかったら、傷付かんで済むからな…」


あたしはそれを聞いて、すごく悲しかった。