「あんな、男の人って、自分で抜こうと思ったらすぐ抜けるやん?
でもな、高いお金払ってまで、写真でしか知らんあたしらを、指名してくれるねん。
どんな仕事でもそうやけど、お客さんがお金を払ってくれた分、ううん、それ以上のサービスをして、当たり前やと思うねんな。
誰だって、風俗の仕事は、好きではやってへんと思う。
でもな、それはお客を貰ってる以上は、プロやから。
出したらアカンやん」

「うん…」

あたしはエリの、人気の秘訣が、分かった気がした。

あたしは今まで、お客さんに対して嫌なイメージしかなくて、早く抜こう…って、必死やったから。

きっとそんなのは、相手にも、伝わるんやろうな。


「あたしはいっぱいあるお店の中で、この店を選んでくれて、その中であたしを指名してくれる、そんなお客さんの気持ちが、嬉しいねん。
朝日もそう思わん?」

確かにお客さんが、パネルであたしを選んでくれなかったら、あたしは給料を貰えない。

「そうやな。そう思ってみる!」


そこから、あたしの仕事ぶりは変わった。

お客さんに愛情を持って接したら、意外にもお客さんは優しくて、みんないい人に思えた。