トイレの前で、涼にばったり会う。

涼もかなり酔っ払っているみたいだ。

トイレに入ろうとした、その時…

涼があたしを押して、自分もトイレの中に、入って来た。


「えっ…」


涼は中から鍵を閉める。


「朝日~!かわいいなぁ、お前は!」

そう言って、抱きしめられた。

「り、涼くん!酔っ払ってるやろ~?」

そう言ったあたしの唇に、涼の唇が重なった…


「…んっ」


10秒ほどの、長いキス。

唇が離れて、涼は「続きはまた今度!」と言って、トイレを出て行った。


何なん?今の…

戸惑いながらも、あたしはこれで、涼にはまった。

涼はホスト。

分かってる。

分かってはいるものの、あたしの気持ちは押さえ切れないくらい、涼に傾いていた。

涼が好き…