サルビア

そしてあたし達は、あるお寿司屋さんに入った。


席に着くなり、涼が言った。

「仕事本間ごめんなぁ…」

「別に涼くんのせいちゃうで?」

「いや、でも、俺の客もおったしなぁ…」


え?そうなん?


「ミオやっけ?あの娘はワタルの客やし、ヒカル?はハルキの客やし…」

「じゃあ涼くんのお客さんって?」

「レイナ…」


やっぱり…


「てかじゃあ何で、あたしの事指名すんのさ!ほらレイナさんも怒るわ!」

「ごめんなぁ…」


そんな事は知らなかったあたしは、少し涼に腹が立った。


「でもな!俺お前に興味あってん!」

「何で…エリに似てるから?」

「まぁ…そうやけど…」


結局涼も、他の人らと同じなん?

そう思ってショックを受けた。


「いや、でも俺は、エリと朝日は全くちゃうと思ってるで?何せあいつは、めっちゃ気強いしな…」

「え?エリ知ってんの?」

「知ってるも何も、俺の客やん…」