母親は、「ほんまに母親失格やな…」と、泣き崩れていた。

でもそれを言うなら、あたしも姉失格やんな…


2人で泣いて、泣いて、泣き尽くした。

それでも枯れる事のない涙を抱えながら、時間だけは、お構いなしに過ぎて行く…


エリ、ほんまにごめん。

何もあんたの事を、分からんまま、あんたは死んでいった。

あんたの大事な人って、あたしの事やったんやな…


エリが死んでから、涼に一言文句を言ってやりたくて電話をかけた。

でも、「この電話番号は、現在使われておりません」というアナウンスが、虚しく響いていた。

サイトには、あたしと同じように、「一緒に東京に行こうな」と言われていた女の子達からの、「騙された!」というカキコミ。

エリと同じように、本番屋に売られた女の子達からの、「ほんま最悪!」というカキコミで、涼に対する文句が、溢れ返っていた。