願いを込めて、勢いよく開けた、扉の向こうにあった風景は…


裸で浴槽にもたれ掛かるようにして、ぐったりしているエリ…

浴槽に溜まったお湯も、風景場の床も、鮮やかな赤に染まっていた…

恐る恐る触れたエリの体からは、もう温もりがなかった…


その後の事は、良く覚えていない。

我に返って救急車を呼んだ事。

病院に駆け付けた母親が、あたしの隣で泣き崩れた事。

治療室から出て来た先生が、「残念ですが…」と言った事。

何もかもが、まるでドラマを見ているみたいに、自分の気持ちがついていかないまま、あっという間に流れていった…


エリは死んだ…

あたしに1通の、手紙を残して…