そしてついに、涼がお店を辞める日が来た。

ここ3日間、あたしは必死で働いた。

少しでも涼の最後に、沢山使えるように。

エリも最後の追い込みなのか、今までよりも早く出勤して、帰りも遅かったように思う。

あたしは涼のお店に行く前に、1度家に帰った。

大金を持ち歩くのが嫌だったから、貯めておいたお金を取りに帰ったのだ。


まだ時刻はAM2:30を、過ぎた頃だった。

まだまだゆっくり出来るな…

どうせならラストまでいたいし…

そう思い、あたしは化粧を直したり、髪を巻いたりしていた。

その時、エリが帰ってきた。

「ただいま~!」

やたらテンションが高い。

最近は口もきいてないのに、「朝日~!ビール飲もうや~!」と、あたしの部屋に入って来た。

びっくりしているあたしをよそに、エリは腰をおろし、あたしにビールを差し出した。

最近見てなかったけど…

エリはさらにやつれていて、肌もボロボロだった。