サルビア

「あんな、俺とエリは、別れた時以来エッチしてへんねんで?」

「はっ?
だって…この前は…?」

「エリが手首切った時か?」

あたしは無言で、コクリと頷いた。

「あん時は、エリと話してただけで、そういう事は、一切してへんから」

「そうなん…?」

今度は涼が、無言でコクリと頷いた。


「えっ、じゃあ何で?
何でエリは、涼の子供を妊娠したとか言うん…」

涼は、すごく困った顔をした。

何かを考えながら、あたしの顔をまっすぐ見て、言いにくそうに言った。

「あいつはさ、多分お前が、嫌いやと思うで?」


エリが、あたしを嫌い………?

驚きとショックを、隠せないあたしに、涼はさらに言った。

「エリとお前、姉妹なんやろ?」

「えっ…?
何で…?
知ってるん…?」

「エリから聞いた」

「そうなんや…
でも、何で?
エリがあたしを嫌いって…」

「だって、俺に会う度に、朝日とは関わらんといて!って、いつも言うとったし…」

そう言って涼はまた、困った顔をした。