サルビア

涼は、あたしのお店まで迎えに来てくれた。

今までこんな事なかったのに…

そして涼が、「とりあえず、深刻な話やから…何もしんから、ホテルで話していい?」と言った。

「分かった…」

あたしはこれから、一体何を言われるんやろう…

不安を抱きながら、ホテルの部屋に到着した。


涼はベッドにドカッと腰をおろした。

あたしは少し離れたソファに座った。


「エリから…聞いてるやんな?」

ついに来た…

「うん…」

涼は溜息をつきながら言った。

「あれ、俺の子ちゃうから…」

はっ?

驚きを隠せないあたしに、涼はもう1度言った。

「ホンマに俺の子ちゃう。
信じて?」

訳が分からない。

じゃあ一体、エリのお腹の子は、誰の子なん?

今エリが妊娠してるって事は、それ以前に涼と、エッチをしたって事やんな。

心辺りは、ある。

エリが手首を切った次の日、涼のお店に行った時。

もし違ったら、やっぱり嬉しいけど…

でもエリが、嘘つく訳はないし…

必死であれこれ考えた。