サルビア

「店こんでいいし…
店で出来るような、話ちゃうから…」

エリ、涼に言ったんやな。

「あたしに会って、どうするん…?」

もし、涼の口から、子供を産んで欲しいとか、エリと結婚するとか聞いたら、あたしは辛過ぎて、何も言えんくなる。

「お前に、言わなアカン事があるねん…
だから会って…?」

あたしに言わなアカン事…?

何があるん…?

「でも…エリが…」

「エリの仕事が終わるまでには、帰れるようにするから!」


あたしはどっかで、エリがこんな時にって気持ちがあったんやと思う。

最近のボロボロのエリから、妊娠の事を聞いて、涼が好きやからって安易に会ったらアカン気がしてた。

エリをほって、涼に会ってる事をエリが知ったら…

でもやっぱり、涼には会いたい、顔が見たい。

エリが家に帰るまでに、終わらしたらいいか。

エリの事を、話すんやろうしな。

どうせお店も暇やしな。

自分にいっぱい言い訳しながら、あたしは涼と会う事にした。