自転車の彼

「馬鹿~、止めときなさい」



わざとらしい女口調で海斗は私の額にデコピンをする。



「なにさ!!自分だって未成年のくせに!!」


「俺は良いの。ほら、早く、その二次関数の問題やる!!」


自己中っていうか、道理が通らない。



でも、そんな海斗が好きだった。