「なっ・・・」

「神谷はさ、優し過ぎるんだよ。楓のことは悲しいけど、しょうがなかった。あの事故から神谷暗いもん。ねえ、楓のこと好きなの?」

「いや・・・・・そういうんじゃないよ。元々ただの友達だったから。責任とかそんなんじゃないし、これとは全く関係ないことだから」

「でも・・・楓のことのトラウマがあるとしか思えないよ!」

あいつのことが無かったら自分をフるわけがないと思ってるんだろう。だけど。オレはホントに興味があまり無い。

「大島には関係無いよ・・・。オレ以外にも男子はいっぱいいるし。ほら、二組の三山が大島のこと好きだって言ってたよ」

大島の大きな瞳が潤んだ。潤んだものがどんどん大きくなり、頬を伝ってぽろぽろと零れた。

「あたしは・・・神谷がいいの。すごい男好きって言われてるけど・・・今回は本気なの。あたしは、ずっと、神谷が楓と付き合ってると思ってた。神谷が話す子が楓だけだったから。だから色んな人と付き合ったけど・・・ずっと神谷が好きだった」

嘘だろ・・・また面倒なことになった。大島の言うことをどこまで信じていいのか。