「そ、そうか?気のせいだろ。」



声がうわずる。



「いや、なんか血生臭い臭いがするぞ。なんだろ?」



悟志はくんくんと鼻を鳴らし、部屋をかぎ回り始めた。



「そ、そんなに嗅がなくてもいいだろ!」



俺は悟志の腕をつかむ。



「なんだよ。そんなに必死になって…。お前、まさか…。」



数秒間、2人の間に沈黙が走った。



「な、なんだよ。」



僕が言うと、悟志は



「お前、食い物隠してるだろ!」



と強く言った。



「か、隠してないよ。」



「ほんとか〜?よ〜し、探してやる!」



「ほんとにないって!!」



僕が必死で止めるのを振り払い、部屋の中を探し始めた。



「おい、止めろって!」



僕のことを完全無視してついに、押し入れに手が伸びる。



ああ。もうダメだ。



ガラ!