私はとにかく必死にそのロッジを目指した。



「ごめんください!ごめんください!」



大きな木の扉を有り余る力で叩く。



すると、



「はい?どなたですか?」



中から男性の声がした。



「道に迷ってしまいました。お、お願いです。休ませてもらえないでしょうか?」



震える声を振り絞って私は言う。



ギー…



静かに扉が開き、中から30代後半くらいの男性が顔を出した。



「こんな夜中に女性が1人でどうしたんです?さぁどうぞ。」



私を見るなり、目を丸くしながらも、その人は私を中に入れてくれた。



建物の中に足を踏み入れた瞬間、私の体がふわっと暖かさに包まれた。



助かった。



私は安堵のあまり、涙が出そうになった。



男性は私をそのまま浴室に案内した。



「まずは暖まりなさい。そんな格好では風邪を引きます。」



「あ、ありがとうございます。」



私の手足はすでに寒さで感覚を失っていた。



私はそのまま男性の言葉に甘え、シャワーを浴びた。