「子供…。」



俺は呆然としてしまった。



「そう。彼女は子供がいると言った。幼稚園と小学4年生になる子だそうだ。でも、」



「でも…なんです？」



本宮さんの声が急に小さくなった。



「おかしいとは思わないか？彼女はどうみてもまだ20代前半だ。小学4年生の子って…生んでたとしたら早くても中学だぞ。」



確かに。



「理由ありなのかもしれないぞ。彼女。止めといたほうがいいな。」



本宮さんはそう言うと俺の肩をポンポンと叩き、去って行った。



理由ありなどと言われると余計に気になる。
でも…子供がいることには代わりない。



俺の出る幕はなさそうだ。



しかし、気持ちだけでも伝えておこう。これも1つの出会いだし。そう思った俺は昼休みにもう1度その店を覗いてみることにした。