僕には無いものが
颯斗にはたくさんあって、
優しい心もちゃんと持ってる。
「おい、昂史。代わってくれるか?」
こうやってチャンスをくれる
颯斗がすごいかっこよく思える。
「おう、代わるよ」
美菜子と接近する。
ドキドキが止まらない。
やっぱ小柄だから軽いな。
「昂史くん、ありがと」
「いいよいいよ」
あっという間に
クラスが集まる山の5丁目に着く。
「ほんと…ごめんね」
美菜子は俺と颯斗に謝る。
そん時の颯斗の横顔は
とても優しい顔をしていた。
美菜子に必要なのは颯斗なんだろうか…
クラスレクレーションの
ドッヂボールも早々と終わり、
これから班別行動だ。
俺ら6班はあらかじめ決めていた
目的地へ向かう。
美菜子も自力で歩くことを望み、
5人はゆっくり進む。
俺と颯斗、美菜子。
女子2人の中川と斉藤。
僕は美菜子を気遣い歩く。
颯斗は女子2人の後ろを歩く。
颯斗は言っていた。
美菜子だけ贔屓にはしない…と。
颯斗…お前を必要としてるよ…
きっと。美菜子は。


