その子は中1で一緒で
唯一仲が良かった女子…山崎由美と
2人で話していた。

放課後…
「なあ、山崎」

僕はとりあえず、
その子の名前だけでも知りたくて
山崎に聞くことにした。

「あっ昂史じゃん。なに?」

「また一緒のクラスだな。よろしくっ」

「そだねーっ、でどうかしたの?」

「あぁ…実はさ、さっき山崎が話してた子いんじゃん?あのー小さくて笑顔が可愛い子」

「もしかして美菜子のこと?」

こうして僕は
山崎から色々な情報を得た。
曽根美菜子、山崎と元同じ中学校
彼氏持ち…ってことだった。

「そっかぁ…彼氏いたんだな」

「昂史ひょっとして美菜子のこと…」

山崎はニヤニヤしている。
まあ別に山崎ならいいかな
って思って、一目惚れしたことを
話したんだ。

「昂史が一目惚れかあ…なんかびっくり」

「なんでだよ」

「だって昂史1年の時、全然好きになった人なんかいないみたいだったし」

…確かにそうだった。
恋愛について
僕はそんなに興味もなく
特別好きになった人もいなかった。

だから
美菜子を好きになった
というよりも
不思議でドキドキするものが
心の中で収まらなかった。


その日は山崎にありがとう
とだけ伝えて帰宅した。