恋愛非常口


「うん…昂史くんが颯斗のモノマネして、颯斗そういうの馬鹿みたいに気になるらしくて…。私の前だけで見せてくれたあの甘い声がなくなっちゃった。ごめんね…昂史くん。昂史くんのせいにしなきゃ、私辛すぎて…。<ただのヤンキーと一緒にいても私楽しくない。甘い颯斗だけしか私は好きになれない。>そう言っちゃった。そしたら颯斗、あっさり私を振っていった。<お前を落とす方法は優しさって言ってたから演技してたんだよ。馬鹿が。本気になってんじゃねえよ>って言葉を残して。私…本気で颯斗が好きだった。でも颯斗は変わったんじゃない。そういう人だったんだよ…。仕方ないよね」

颯斗は…
そういう奴だったのか。
でも初めて颯斗を見たとき僕は
素でほんとは優しい颯斗に見えた。
優しさが演技…?
あいつの顔は嘘だったのか?

返事が出来ずにいた。

「じゃあ私、帰ろうかな。あ、昂史くんのせいじゃないからね。逆に颯斗の素を見いだしてくれてありがとう」

そう言って美菜子は教室を出た。

僕は教室にただ一人で
ただただ美菜子が出ていったドアを
見つめていた。