ひとまずの決着を見せた事に一同はとりあえずホッと胸をなで下ろした。

 ただ1人、ベリルだけは跡を濁(にご)した結果となり、さっぱりしない顔をしている。

「俺たちのことを、王様たちに正直に話します」

 テーブルに腰を落とし、ベリルの煎れた紅茶と作ったお菓子を味わいながらアライアは口を開いた。

「それがいいでしょう」

 ランカーがニコリと笑う。周りでは、清掃業者がカーペットの汚れを落としている最中だ。

 生憎、死人はいない。

 彼らを普通の医者に診せる訳にはいかないため、訳ありな人間の病気や怪我を治療する医者、すなわち闇医者に案内した。ベリルには馴染みの闇医者がいる。

 名は──

 そこに、エレベータが到着した。