「お前、鬼だな」

 と、とにかく……この状況は若い王女とアライアにはよくない気がする。ランカーは2人を別の部屋に促した。

「ベリル、愛しているぞ。俺の妻になれ」

「断る」

 即答。

「どうしてだ」

「言わなくても解るだろう」

「国のトップになれるんだぞ」

「そんなものに興味はない」

「俺の后になれるんだぞ」

「そこになびく男がいると思うか」

「強情だな!」

「普通だ」

 たたみ掛けるような2人の会話に、ランカーたちは何も言えずに呆然とする。