「私は男なのだがね」

 ようやくベリルは口を開く。

「俺の国は、皇族だけは同性でも婚姻が認められているのだ。俺と一緒に国を治めようではないか」

「……」

 目を輝かせて言われてもな……

「血筋はどうする」

「それも大丈夫。正室と側室、どちらかに世継ぎを残せる者がいればいいのだ」
「そうか、側室ってあるんだな」

 もうこれ以上、驚く事なんて何も無いのだろうか、アキトが普通に反応する。

 諦めの状態なのか、慣れてしまったのか定かではないが……

「愛人とか公然とあるんだから、羨ましいよね」

「助けなくていいのか?」

 そんなダグラスに、ランカーは目を向けた。

「まあまあ。困惑したベリル見るのって無いから、しばらく眺めてようぜ」

 ダグラスは右手を軽く振り、笑って発した。