そろりそろりと逃げようとしたレオンに、バン! とすぐ側の壁に勢いよく手をつく。

「ひっ」

「もう少しゆっくりしていけ」

 その目に射すくめられて、レオンはガタガタと震える。

「……」

 少々、怖がらせ過ぎたか……ベリルはやりすぎた感に少し反省した。

「そうビクつくな」

「う……」

 先ほどまで威張っていたレオンとは思えないほどの怖がりようだ。

「すげー怖がってるな」

「そりゃあ、ベリルに睨まれたもん」

「そんなに怖いのか?」

 しれっと応えるダグラスにアキトは目を丸くした。