ベリルは、そんなレオンに目線を合わせるように片膝を付くと口の端をつり上げた。

「傭兵をあまり馬鹿にしない事だ」

「そうだよ~」

「これでも戦闘は得意なんだ」

 ダグラスとアキトは、他の男たちを縛り上げながらベリルの言葉に続く。

「ノエル、怪我はない?」

 少女の頬に手を添えてじっと見つめた。

「アライア、怖かったわ……」

 少女も青年を見つめ返す。

「大丈夫、俺が命を賭けてノエルを守るから」

「アライア、嬉しい」

 2人は強く抱き合った。

「……」

 一同は2人のやりとりに目を丸くする。

「勝手にやってくれ」

 ベリルは左手で顔を覆って溜息を吐き出した。