「レオン皇子」

「!」

 声をかけられた皇子は鬱陶しそうにベリルに近寄り、顔を向ける。

「なんだ?」

「私の事を調べたと言っていたが。どうやってかな」

 その問いかけに、ああ……と小さく声を上げる。

「そんなもの、普通に調べれば出てくるだろう」

 レオンの言葉に、ベリルはクスッと笑みをこぼしダグラスは鼻で笑った。

「何がおかしい」

 2人の反応にカチンと来たレオンにダグラスが応える。

「だってねぇ。普通に調べただけじゃあ、俺たちのコトはほとんど解らないよ」

「なんだと?」

「そうそう。信用のおけない相手に、簡単に個人情報教えるほど、俺たちは甘くないワケ」

 アキトも同意するように口を開いた。

「それに……」

 ダグラスは付け加えるように続ける。

「ベリルのその名は、伊達じゃないよ」