「ダグ、何を持っている」

 ベリルが小声で隣にいるダグラスに問いかける。

「今あるのはナイフ2本とハンドガン1丁」

「どちらが先だ」

 訊かれた青年は少し目線を上に向けた。

「先に出せるのはナイフ」

 次にアキトに問いかける。

「アキト、すぐに動けるか」

「まあなんとか」

 確認したベリルは、少し目を据わらせてレオン皇子を一瞥した。

「私は正面の3人。お前たちはそれぞれ左右で5人」

「残りのやつは?」

「大丈夫だよ。こっちが攻撃したら動揺するからその間に前をやって、後回しね」

 アキトの質問にダグラスが応えた。