「あの……」

 体をすくめて近づくと、テーブルの上に並べられているグッズが視界に入った。

「これはなんですの?」

「ベリルがね、王女様にお土産だって」

 にっこりとダグラスが応える。

「まあ……。これ可愛い」

 愛らしい笑顔が戻り、アライアはほっと胸をなで下ろした。

「!」

 何かに気付いたベリルがジーンズの後ろのポケットを探ると、震える携帯が着信の知らせを伝えていた。

「……ふむ。すまんな」

「解ったの?」

「隣町のユナイテッドホテルに宿泊している」

「要人御用達のホテルだね」

 ダグラスは口の端を吊り上げた。