「それで?」

「それで……ケーキは生クリームかチョコかで言い合いになって……」

「……」

 一同は一斉に眉間にしわを寄せた。

「そんなことで一週間以上もケンカをしていたのかお前たちは」

 ベリルは呆れて二の句が継げない。

「若いよねぇ」

「俺たちだってまだ若いだろ」

「でっでも、ケーキは大事だろ!」

 弁解するように語気を荒げるアライアだが、子どものケンカに付き合わされたベリルは頭を抱える。

「両方、用意すれば良いではないか」

 溜息混じりに発したベリルの言葉に、「そうか!」と、声を張り上げたアライアに一同はバカバカしくなって溜息を吐いた。