そうして一同はホテルに戻り、少女をなだめるためにアライアがノエルの部屋に入る。

 最上階のエントランスでくつろぐランカーたちの目にエレベータのランプが光り、しばらくするとドアが開いた。

「あ、ベリル。おかえり~」

「どこに行っていたんだ!」

 眉間にしわを寄せながらランカーが駆け寄る。

「!」

 その手には、大きな紙袋が提(さ)げられていた。

「これは?」

「観光出来なかったろう」

「ああ、お土産とかだね」

「うおっベリルさん気が利く」

 そんな彼らの耳にドアの開く音が届き、視線を移すとアライアが静かに部屋から出てきた。