「処で」

 男は付け加えるように問いかける。

「ずいぶんと面白いしゃべり方だな」

「親が厳格だった」

 即答すると互いに見合い、沈黙がしばらく訪れた。

「王女付のガードも同行する」

「何人だ」

「側近として1人。あとは周りに数人」

「性別は」

「男だ。名前をアライアという、20歳だ」

「! 若いな」

「君とそう変わらないだろう」

 と、30歳を過ぎた辺りのランカーがいぶかしげな表情を浮かべる。

「5つも違えば変わる」

「それで、受けてくれるのか?」

「……ふむ」

 小さく唸り、王族の写真を見つめる。

「断れないのだろう?」

「受けてくれるまで依頼し続ける」

 そこまで言われては受けるしかない。

「高いぞ」

 溜息混じりに立ち上がった。

「承知している」