「! ノエル!?」

 とっさに叫んだアライアの脇からベリルが素早く近付き、男の腕を膝と肘で勢いよく挟む。

「ぐおっ!?」

 痛みで手を離した男のあごを蹴り上げ、ドサッ……と倒れ込んだ男を最後に、闘いは終わりを告げる。

 周りから大きな歓声が上がった。

「な、なんだ?」

「びっくりした」

「パフォーマンスだと思われてるね」

「とにかく車に」

 ベリルは一同をリムジンに促す。

「! どこいくの?」

 1人だけ離れるベリルにダグラスが問いかけた。

「先にホテルに戻っていてくれ」

「解った」