「カミナリモンはその先です」

 ランカーが右手で示す。

「楽しみだわ」

 少女が嬉しそうに信号を横断した。

 その時──

「!」

 黒ずくめの男たちが、一斉に駆け寄ってベリルたちを取り囲んだ。

「キャ!?」

「敵?」

「王女! 真ん中に!」

 ランカーが素早く王女を中心にした。

 ベリルの右横にダグラス、左にアキト少女を挟んで後ろにランカーとアライア。

「何?」

「イベント?」

 突然の事に、観光客たちは何かのイベントなのかとその様子を眺めた。