準備を済ませてホテルをあとにした──外に出る直前にベリルは黒いサングラスをかる。

「まさか電車には……」

 アキトは心配したが、玄関を出るとリムジンが迎えていたので安心する。

助手席にランカー、向かい合わせの後部座席にダグラス、アキト、王女にアライアとベリル。

 さすが5人乗っても快適だ。

 ベリルを隣に座らせた少女にアライアは険しい表情を見せるが、ベリルは気付かないのか無視しているのか……

「……」

 まあ付き合ってるコトを悟られないためには、違う人間を隣にしてる方がいいけど……ダグラスは3人を見つめて心の中でつぶやく。