それほど注目されていない外交に、ピリピリする事も無いだろう……と、ランカーたちは自国で警備するよりも少し厳しいくらいの警備で済ませる事にした。

 目的地は浅草、雷門だ。

 例の皇国の皇子は気に掛かるが、王女が楽しめるように最善を尽くさなくてはならない。

「これでいいかしら」

 少女は少し照れながら姿を表した。

 淡いピンクのワンピースと、白いコサージュのついた帽子を被ってポーズをとる。

「お、可愛い!」アキトが拍手した。

「可憐でいらっしゃいます」

 ダグラスは丁寧に会釈した。

「まあいいだろう」

「……」

 ベリルの言葉に、ランカーたち3人はあっけにとられた。

「ふ、普通な対応だよ」

「あれがベリルなんだって」

「褒めるくらいは……」

 淡々と準備を進めていく彼の姿を呆然と一同は眺めた。