楽しい食事も終わり、一同はリビングでくつろぐ──

「美味しかったですわ」

 アキトに笑顔を向けたあと、少女はベリルに視線を移した。

「あの、ベリル……頼みがあるのですが」

「なんだね?」

「日本を見て回りたいのです」

「観光したいってコト?」

 ダグラスが問いかけると、少女はコクンと頷いた。

「……」

 まあ別段、危険な事も無いか……ベリルたちは互いに顔を見合わせる。

「では、これから少し段取りを組みます。しばらくお待ち下さい」

「ありがとう。ランカー」

 ノエルは笑うと、奥の部屋に入っていった。それを確認したダグラスは、ランカーに目を向ける。

「観光っていうと、この近くならどこがいいかな」

「そりゃあ、有名所っていえば浅草とかじゃないか?」と、アキト。

「今日は1ヶ所回れればよしとするか」

 いつの間にか、ダグラスとアキトはベリルの仕事に加わっていた。