「申し遅れたが、俺はランカー。王族付の『なんでも屋』だ」

 そう言ってもう1枚、写真を差し出す。

「これはケインだ」

 見せられた写真に応えた。しかし男は、目の前に映し出されたゴツイ男の後ろにちょろりと映っている人物に指を示す。

「……なるほど。そういえば2ヶ月ほど前に奴と仕事をした」

 こんな写真から私を辿ってくるとは……

「この男を探し出し、映っている人物の居場所を訪ねた」

「そんな手もあったな」

 呆れて目を据わらせ、コーヒーを傾ける。

「断る。と、言ったら?」

「受けてくれるまでつきまとう」

 それは困る……

「報酬は弾む。受けてくれないだろうか」

ベリルは言われて、小さく溜息を吐き出す。

「私は“表”には顔を出さない主義でね」

「だったらサングラスでもすればいい」

 さらりと青年の言葉を返した。