「ベリルは全然気付いてないでしょ」

「彼はいつもああなんですか?」

「そうだよ。恋愛に関してはまったく」

「え? ベリルさん2人に気付いてないの?」

 3人は互いに顔を見合わせる。

「まったく? 全然?」

「うん。もうからっきし」

「うそ……」

 目を丸くしている2人に肩をすくめる。

「完璧な人間なんていないってコトさ」

「いやしかしさ……モテない訳でもないだろうに」

「ま、ああいう人だから」

 薄く笑って言い放ったダグラスに呆然とした。