「初めまして。ノエルと申します」

 そこにいたのは、魅力的な瞳をした少女──ノエル王女は、小さく腰を下げて挨拶した。

「こ、こんにちは世良アキトです」

「ダグラスです」

 綺麗な栗毛と青い瞳を見てアキトは、なんだかお伽の国にでも足を踏み入れた感覚になった。

「お二人とも、とても魅力的ね」

 少女は楽しそうに両手を合わせ微笑んだ。

「そ、そんなこと……」

「有り難いお言葉です」

「でも、ベリルが一番ね」

 少女の言葉に、2人は王女の後方にいる青年に目を向けた。

 何故なら凄い目で睨まれたからだ。

 しかも、王女はその青年を一瞥して発したのを2人は確認している。