そうして静かに止まったエレベータのドアが開き、エントランスが広がる。

 最上階にはこの部屋しかないため、通路は必要ないのだ。

 目の前に置かれているソファセットにベリルが腰掛けていた。

「やあ、久しぶり~」

「……」

 ダグラスが軽く手を挙げて挨拶すると、彼は無言でそちらに顔を向けているだけだ。

「どこに映っていた」

 ぶっきらぼうに尋ねる。

「ローカルテレビ。30秒もなかったんじゃないかな~。いや偶然チャンネル合わせたらびっくりだよ」

 その答えに、彼は足を組んで片肘をつき眉間にしわを寄せた。