「処でさ」

「なに?」

ダグラスは友人が持っている荷物に眉間にしわを寄せた。

「なに持って来てるんだよ」

「だって折角、作ったんだぜ。新鮮な方が美味いんだ」

「そりゃそうだけど……あ」

 玄関の自動ドアから、栗毛で後ろ髪が少し長くゴムで簡単に束ねている長身の若い男が出てきた。

「ダグラス様とご友人の方ですね。こちらへ」

 2人を中へ促す。

「ね?」

「……」

 すぐに話をつけるから、わざわざ言わなくともいいから切ったって訳か。

 それをすぐに察する辺り、さすが弟子だっただけはある……アキトは唖然とした。