「あ、ベリル?」

<……>

「……」

 しばらくの沈黙──

 ベリルは、何故いま彼が電話をかけてきたのかを考えているのだろう。

 偶然とは思えない。

「友達が会いたいってさ」

<ほう>

「てな訳だから、これから行くね」

 相手の返事も待たずに電話を切った。

「んじゃ行こうか~」

「ちょっちょっと待ってくれ!」

 伸びをしながら立ち上がると、アキトは慌ててキッチンに向かった。