「君に依頼したいことがある」

 言って、すいと懐から何かを取り出した。

「?」

 差し出された写真を見やると、どこかの王族らしいものだ。

「王女が外交のため国外に出る。そのガードを頼みたい」

「……」

 青年は、眉をひそめて向かいのイスを促し腰掛ける男に口を開く。

「私は傭兵なのだが、理解してくれているのだろうな」

「もちろんだ」

 ならば何故、警護など依頼してくる……青年はますます眉間にしわを刻んだ。